N先生の実践トレーニング情報!

N先生:理学療法士。整形疾患(手術後の急性期リハビリ~外来での回復期、維持期リハビリ、自宅での訪問リハビリ)、ピラティス指導、福祉園での運動指導など幅広く活躍中。

第1回: 体操を始める上で、最も大切なこと!

Q「何か1つだけ体操するとしたらどんな内容が良いですか?」
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A「人により、筋力の弱い部分や柔軟性に違いがあるため、一概にこの運動が最適とは言えません。
  しかし、日々患者様を見させて頂く中で、多くの場合に重要だと思うポイントは「胸椎、胸郭(背中)の柔軟性」だと思います。
 胸椎の柔軟性、運動が大切な理由は様々ですが、大きな理由の1つは「体の中で動きにくくなりやすく、それが気づきにくい場所」だと思うからです。
 骨の模型(下図参照)を見て頂くと分かりやすいです。脊椎、背骨の中で、胸椎だけは肋骨が付いており、一塊で安定性が良い部分になっています。これは人の臓器の中で非常に重要な機能を担う、心臓を守るためだと考えられます。
 それに比べて、胸椎の上の頚椎(首)や、下の腰椎(腰)背骨のみ(実際は筋肉、靭帯等の結合組織、腹圧等で支えられます)で構成されるため、動きやすいけれど不安定な部分となっています。
 硬い場所と柔らかい場所があると、柔らかい場所ばかりが動きすぎてしまい、傷めてしまうことがよくあります。なので首や腰を傷める人は多い印象です。
 また、体全体の動きとしては、柔らかい場所が動いてくれているので、硬くなっている場所に気が付きにくいです。痛み等の不調が出てから初めて、柔軟性のバランスが崩れていることに気付きます。
なので、日頃の運動の中で背中の柔軟性を確認する、改善する内容を意識することをお勧めします。」

胸椎と頸椎と腰椎

コメント: 1
  • #1

    h (水曜日, 09 9月 2020 15:07)

    これから体操を始めようという者です。左半身がかなり硬くなっているように感じていますので今後も連載記事を参考にさせていただきます。背中の柔軟性を確認したり改善したりするには具体的にどうすればよいか、また教えて下さい。